もう!わかってんの!?

なんて考えてたら試合が始まって、

釘付けになる。

…かっこいい。

『カッコいいとこ見せる。』と言ったれいちゃんが頭に浮かぶ。

…かっこいいよ、れいちゃん。

キャプテンになってから、

普段は他人にあまり興味なさそうなのに、

家ではるちゃんと一生懸命部員のこと考えてるとこ。

後輩から相談されたけど…って悩んでるとこ。

部活全体を見てること。

まっすぐ勝ちを見据えてること。

…まっすぐ…か。

れいちゃんはいつもストレートに気持ちを伝えてくれる。

いつだって向かい合ってくれる。

私を考えてずっとこの半年以上待ってくれてる。

はるちゃんもそこに立ってプレイしてるのに、

目がれいちゃんを探す。

あぁ、やっぱり私はもう、

どうしたいかなんて決まってる。

「はぁ〜…こんな女なのに…」

その一言に、

みんなは笑う。

「遅いよ、待たせすぎ。」
「よかったね。」
「頼んだわよ、あの生意気な弟。」
「…ようやくか。兄貴にもいつか報告してやれよ。」
「…やっと、か。」

みんなはこうなるのなんて決まってたかのように答えてくれる。

ちょっと悔しい気もするけど。

でもウジウジとしてた私を見守ってくれて

「ありがとう、頑張るね。」