卒業式の日。
れいちゃんとはるちゃんが、学校の卒業式が終わって、先輩たちを見送ったあと、
大急ぎで私たちの学校にも来てくれた。
「桃奈さん、卒業…おめでとうございます。」
れいちゃんから渡された花束。
嬉しい。
「ありがとう!」
一緒に写真を撮って、
はるちゃんとも写真を撮る。
2人はそのあとまた部活の送迎会があるとかで走って戻っていった。
「ふふ、忙しいなぁ」
そう笑ってると、
「桃奈、どうするか決めたのか。」
洸に話しかけられる。
私はゆっくりと首を横に振る。
「洸みたいにストレートに伝える勇気がまだ持てないみたい。それに気持ちの整理もまだ…」
「俺だって必死だったんだよ…まぁ、急がなくてもアイツなら桃奈のペースに合わせてくれるんじゃねーの?…悔しいけど。」
洸は口を尖らせていう。
「洸、ありがとう。これからもよろしくね!」
「当然。綾の弟とうまくいかなかったらいつでもそう意味で待ってるし。」
え。
固まる私に、
お腹を抱えて笑って、
「半分冗談」
なんて、私の髪を撫でる。
…洸、ほんとありがとうね。