「えっとこの前朝方歩いてた人は、晴翔のお兄さんで…どこから話せばいいか…」

「全部。」

「え、あ、うん…長くなるけど…」

と、今日までの流れを話すと、

さらに空気が重くなる。

「あの、」

「桃奈は綾の弟のこと好きなの?」

え。

「えっと…分からないし、考えなきゃなって思うことがあったから保留にしてもらってて…」

「いつわかるの。」

いつ…

答えられない。

「それってキープじゃん。違うの?」

「キープ…」

キープ…

考えたことなかったけど、

確かにそう取られても仕方ない。

やっぱりれいちゃんとのことはハッキリさせた方がいいのかな。

一刻も早く。

まとまらない思考を一生懸命まとめようとするけど、

ダメだ…

「…ごめん。」

洸は苛々してるのか、舌打ちが聞こえる。

やばい、決壊する。

涙が出そうなのを必死で耐える。

と同時に、

腕を掴まれて、ぐんと前のめりになる。

「なっ、」

頬に柔らかい感覚。

え。