「サンタ…すげぇ似合ってる。」
本心を言うと桃奈さんはキョトンとした顔を見せて、
ニシシッと意地悪にまた笑って、
「可愛い?」
なんてくるくると回る。
…おふざけだと思われてるな、これは。
「うん、可愛い。」
あの日と同じように頬に手をそっと当てたら、
お世辞で言ってるってわけじゃないとわかったのか、
冷え切ってた頬が温かくなってくる。
「あ、ありがとう。」
「うん、でもそんな姿ホイホイ見せて欲しくないんだけど…」
頬に手を置いたまま話すと、
熱を帯びた頬がピンク色に染まり始める。
「えっと、それはいわゆる、ヤキモチ…?」
なんか恥ずかしくなってきて、視線を逸らしながら、
「ソーデス…」
なんて片言に返せば、
二人の間に沈黙。
あー…弟以上ではあるとはいえ、
恋人未満なのに、やりすぎた?
と思って、視線を桃奈さんに戻したら、
桃奈さんが下から俺を覗き込んでて、
上目遣いの桃奈さんとバッチリ目が合う。
なんで見られてるか分からなくて、
「ヤキモチ…面倒ですか。」
と聞くと、
「ううん、面倒じゃない…なんか可愛くてぎゅーってしてあげたくなっちゃった!」
は。