「え?痴漢?大丈夫だよ!なんなら今年はどんどん売れてね、あと少しだよ!」

桃奈さんが指差す先には、

同じように、サンタの格好をした知らない人たちと姉貴達もいて。

てか、なんで姉貴はズボンタイプなの!

恭介さんの方を見たら視線を逸らされる。

絶対あの人の指示だ。

晴翔さんと洸さんと海斗さんで桃奈さんを守ってくれてるんだろう。

洸さんすごい目で俺を見てくるけど…

お辞儀をすると、

姉貴も気づいたのか俺を見てまた大爆笑する。

「バイトみんな一緒なんですね。少し安心しました。」

「短期バイトはね、服作るための資金作りでもあるからみんなでやってる!あ、はるちゃんたちパーティー遅れちゃうよ!私はあと少し頑張って売るからさ!」

ピースして戻ろうとする桃奈さんの手を慌てて掴む。

「遥少し遅れる。」

「おっけ!姉ちゃんくれぐれも、気をつけてよ!」

「…??はーい!」

…また分からず返事してるな、この人。

「れいちゃんどうしたの?」

遥の背中を見送って桃奈さんがいう。

「もう少し話したい…けど大丈夫ですか?」

売り場をチラリと見ると、

「あぁ!大丈夫だよ!売り切ればなんでもいいから!うちらのはね、どんどん売れてもうあと少しだし!」

班ごとにノルマでもあるのか3つのテーブルに分かれてその上に重なるケーキは桃奈さんたちのテーブルが1番少ない。

絶対…顔だよなぁ。

桃奈さんの周りって桁違いに顔整ってる人多いし…

本人意識してないけど。