桃奈さんが何か話そうとした瞬間に、
パスタが運ばれてくる。
…タイミング。
と思いつつも、いったん話を置いて、
別の話をしながら、パスタを食べる。
「美味しい。」
「でしょ!おすすめなのここ!」
桃奈さんの嬉しそうな顔。
自然と自分も雰囲気が柔らかくなる。
お会計を桃奈さんが無理やり俺の分までご馳走してくれて、
お礼を言って、
桃奈さんちに送り届けるために、
2人で歩き出す。
「…れいちゃん、あのね、」
桃奈さんが立ち止まる。
「はい。」
「れいちゃんは、はるちゃんの親友で、私にとって可愛い2人目の弟みたいで、今までそういう風に捉えてなかったから…」
…振られるのかな。
でも、簡単には諦められないけど。
「今回少し自分の中で整理がついて、ようやくれいちゃんの言葉を理解して、…れいちゃんがまっすぐに向き合って伝えてくれるのが、眩しすぎて…なんていうか…戸惑ってるというか…」
多分まだ完全に俺をそういう対象として見れてなくて、
そこの整理はまだついてないってことかな。
「桃奈さん、好きです。」
「へぁ!?いま、そんな話…してないこともないけど…」
桃奈さんが変わった声を上げて、
視線をあちこちに巡らせて、
戸惑っている。