恐る恐る聞いた俺に、

「はるちゃんもそれ聞いてたけど…恋人じゃないよ!…爽くんはヒーローというか、うーん、今までの弱い私の唯一の避難場所だったのかなぁ」

唯一の避難場所…

悔しくて、少しモヤモヤするけど、

でも、その頃の俺は桃奈さんと出会えてないし、

桃奈さんにとってヒーローなら、

俺もその人に感謝したい…

悔しいけど。

笑顔をまた見せてくれる桃奈さんにしてくれたから。

〜すげぇ悔しいけど!

「というわけで、自分で勝手に決めつけてモヤモヤしてたけど立ち直ったので!ご心配をおかけしました!」

「話してくれて…本当にありがとうございます。…桃奈さん。」

「んー?」

飲み物を飲むためにストローを加えながらこっちを見る。

「これからは俺が桃奈さんのヒーローというか…甘えられる人でありたい。」

目を見て、しっかり伝えると、

桃奈さんの目が少し泳ぐ。

え。

少し赤くなった顔。

今までみたいに笑って気づかれずに流されると思った…のに、

「えーと、んーと、れいちゃんが私とした約束って…その、そういう意味?」

っ、

やっと少しは男として意識してくれたんだ。

俺がうなずくと共に、

目が泳ぐ。