「すみません、遅くなりました!」

桃奈さんリクエストのパスタが美味しいカフェに入って先に待っていた桃奈さんに声をかける。

「ううん、部活お疲れ様!先にお茶しちゃってた!何飲む?」

机に広げてたのは家計簿か何かだろうか、

簡単に整理して、鞄の中に入れて、

話しかけられる。

「じゃあ、ウーロン茶で。」

桃奈さんが店員さんを呼んでくれて、頼んでくれる。

荷物を下ろして、向かいに腰掛けると、

「ごめんね!急に!」

「いえ、嬉しかったので。」

そう返すと桃奈さんはいつもの顔で笑う。

ほっとする。

よかった、桃奈さんの中で一区切りついたのかな。

…何もできなかったけど。

「れいちゃんはどのパスタにする?私も悩んでたんだけど決まらなくて!」

二人でパスタを選んで、

ウーロン茶が届いたときに注文をお願いする。

ひと段落ついて、

「あのね、はるちゃんに話したんだけどね、はるちゃんがれいちゃんも心配してたって教えてくれてね、だから聞いてくれる?」

俺がうなずくと、

ポツポツと話し出す。

桃奈さんの不安な気持ち、でも、みんなの気持ちを知って落ち着いたこと。

コーヒーを飲む爽やかな香りの人。

「その、爽さんって…」

「ああ!爽くんはね、」

出会いまで教えてくれる。

…悔しいけど、桃奈さんが元気になったのに水をさしたくなくて、気にしないフリ。

「で、なんと、晴翔のお兄ちゃんなの!晴翔はお姉さんもいるんだけどね!」

こんだけオープンに話してくれるってことは…

「恋人…ですか?」