「へぇ。」
爽くんは興味深そうに呟く。
…私、はるちゃんが離れてく気がして、
自分が空っぽになる気がして不安だったんだ。
誰かに大丈夫だよって言って欲しくて、
はるちゃんはまだ私が必要だって誰かに言って欲しくて、
だからまだ頑張ってって背中を押して欲しかったんだ。
でも。
ケータイに手を伸ばしてメッセージを読む。
はるちゃんに彼女ができて、
私の何かが変わってしまう気がして、
みんなも離れてしまう気がしていたけど、
全然そんなことないんだなぁ。
「爽くん、私幸せだね。」
「やっと気づいた?確かに遥くんのために頑張るももも好きだけど、いろんなこと全部引っくるめて、みんな、ももだから好きなんだよ。遥くんのお姉さんで無理しすぎるももだけじゃなくてね。」
メッセージに一つ一つ返していく。
お父さんたちが居なくなってから、
いいお姉ちゃん、守ってあげるお姉ちゃん、
じゃないといけないって自分で決めつけてたんだなぁ。
弟が家で待ってるかもしれないのに、
飛び出してきてしまった悪いお姉ちゃんでもいいんだ…
「まぁでも、遥くんのために自分を後回しにしてでも頑張れるももはかっこよくて魅力的だけどね。」
よしよしとまた頭を撫でられる。

