コンコンと爽くんの部屋がノックされて、
ノックが終わったと同時に扉が開く。
「って、おわ!…桃奈来るなら言えよ。兄貴も。」
「…晴翔に言うこと今日考えられなかった、ごめんなさい…」
「ま、晴翔許してあげて。俺、もも送るけど晴翔何か用事だった?」
晴翔は私からきっと見えないけど、
すごい嫌そうな顔をしてると思う。
「桃奈、なんかあったのか。」
「あって、解決したはずなんだけど…わからないけど、爽くんのとこ押しかけてた…ごめん。今日集まりあった?」
「今日はない…けど、洸とか綾とか心配してた。」
「ごめんなさい…」
何も言わずに一人で帰ってしまうのが久しぶりで、心配をかけてしまった…
謝らなきゃ、
あれ、ほかに何しなきゃいけないんだっけ、
あ、帰らなきゃ、
帰って、はるちゃんにおめでとうって改めて伝えて、美味しいご飯を出して、
笑顔で明るい私でいなきゃ…
「晴翔、ストップ。もも、今日は俺とゆっくりしようか。」
ゆっくり?爽くんと?
「晴翔、ごめん、遥くんに連絡してくれる?遥くん俺のことは知らないだろうし、適当に言い訳しといて。」
晴翔の小さなため息が聞こえて、
「桃奈、抱え込む前に話せよバカ。あと兄貴にはご飯どうするか聞きにきただけ。ご飯適当に頼んでノックして置いとく。…兄貴くれぐれも…」
「はいはーい、わかってる。」
晴翔が近づいてきて、私の肩にポンと手を置いて、
「桃奈、服も今は大丈夫だから休憩しっかりとれよ。」
と話しかけてくれて、
部屋を出ていく。
あとでちゃんとお礼言わないと…

