ふっと頭の上で笑う声がする。

「ももは相変わらず唐突だなぁ。ごめんみんな、今日は帰るわ。」

優しい彼は、今日のこの後の予定を断って、

私の手をとって歩き出す。

二人とも無言のまま、

彼の自宅まで戻ってくる。

何度もここには来ているから靴を脱いで、

彼の後をついていく。

彼の部屋まで入って、荷物を置いた彼がようやく口を開く。

「もも、今日はどうしたの?遥くんは合宿?」

「爽くん…」

私はもう付き合いが長い彼の名前を読んで、

近づく。

彼は軽く仕方ないなってため息をついて、

手を広げてくれる。

ドーンと思いっきりぶつかれば後ろのベットに爽くんが倒れる。

「ははすげえ勢い!」

そういいながらよしよししてくれる。

あぁ、心地いい。