「あれ?
今日は、旦那さんはゴミ出してくれなかったんですか?」

日花里の言葉に、粋香は苦笑いを浮かべる。

「今日はギリギリで、慌てて会社に行きました」

「いつもゴミを出してくれて、優しい旦那さんですね」

「そうですか…?
ありがとうございます」

粋香は照れた笑いを浮かべている。

新婚の粋香が羨ましい。
自分も新婚の時は、こんな感じだったのだろうか…?
もう忘れてしまったが…。

「粋香さんって瀬川(せがわ) 粋香さんですか?」

「ええ、瀬川は旧姓ですが…」

粋香が答えると、

「やっぱり~!
どこかで見た事があるとずっと思ってたんだ!
あたし、早矢仕(はやし) 日花里。
青田(あおた)学園の時の後輩です」

「日花里!?
うわぁ~、久しぶりぃ!」

粋香は後輩の日花里を思い出した。