ハルの贈り物



「へ〜。珍しいじゃん。マネージャーがそんなこと聞くの。そうだな〜。」


春輝さんは、窓の外の桜の葉に落ちる雨粒を見たあと、ニカッと笑った顔を私に向けて…。


「『これだっ!』って思ったんだよな!」


そう言った。


はじめた時のことを思い出しているせいだからかな。

その笑顔はどこか幼く見えて。

何だかとっても、可愛くて…。

ちょっとだけ、私の心を跳ね上がらせる。


「正直、ずっと興味なかったんだよ、俺。走ることにさ。だから、陸上はじめたのも、中1ん時の5月ぐらいからだったよ。」


「え…?意外……。」


「ははは!だろ〜?出会っちまったんだよな〜。すんっごい人に!」


そう言った春輝さんの横顔は、とってもキラキラしていて…。


何だかとっても楽しそうだった。