ハルの贈り物



走り終えた駿くんは、私に向かって、最高の笑顔でピースサインを見せてくれた。


みんなとこうして、何かを成し遂げていく 。

少しずつだけれど、前に進んでいく。


その喜びや達成感を一緒に感じられること。


それは、マネージャーになって心から良かったと思える、私にとっての大切な瞬間。


あの時感じていた感情と少し似ているように気がする。


立場は変わってしまった。


私はもう、あそこで…あの風を感じることはできない。


でも………
それでも………


あの時感じた喜びを感じることができた。


それは、私にとって…

久しぶりに感じた、陸上での喜びの瞬間だった。