視線は混じり合ったまま、動かない。
誰かの目をこんなにも見て話すなんて、普段なら考えられないことかもしれない。
それでも、今は…。
この瞬間は、逸らしたらダメだと思った。
「僕、こんな人と目合わせたの初めてだよ。」
「あ、ごめん。」
慌てて目を逸らす。
ちょっとやりすぎたかな…。
「ううん。なんか、桜木さんって不思議だね。」
「…なんで?」
「なんでだろ…。強いのか弱いのか分かんなくなる。」
その言葉には、私自身の問いかけとなって何度も頭を巡る。
強いのか…弱いのか…。
そんなの……
「…そんなの弱いに決まってるよ。」
私は強くない。
ずっと逃げてた。
ずっと気持ちに嘘をついてた。
ずっと…気付かないふりをしてきた。
楽なほうを選んでた。
