誰もいなくなった静かなグラウンド。
部室の前にあるベンチに少し距離を置いて二人で腰をかける。
日が沈みきって、辺りを照らしているのは一つの街灯。
聞こえてくるのは、遠くで鳴る踏切の音だけ。
「ごめんね。なんか無理やりこんなん…。二人で大丈夫だった?」
本当は迷ってた。
駿くんは、ただでさえ人見知りで、あんまり人と好んで話さないのに…。
1ヶ月一緒に部活をやってきたのはいえ、会って間もない私と二人で話すことに抵抗がないわけがない。
それでも…
それでも、どうしても時間が欲しかった。
今日じゃないと、ダメだと思った。
「…うん、大丈夫。ごめん…。僕こんなだから…桜木さんに、気つかわせたよね。」
「ううん。ぜんぜん。付き合ってくれて、ありがとう。」
