「1年〜!お前らも集まっとけ〜!」
春輝さんが大声で1年生に呼びかける。
「「はいっ!」」
ん?いや、待って…。
….初めてかもしれない。
春輝さんが指示を出してるのを見るのは。
いつもは、
『練習は自由にするもんだからな!縛られてすんのはよくねーよ。まぁ、和人さんに怒られねー程度に好きにやれよ!』
とか何とか言っていた春輝さんが…。
これは、相当重要な何かがあるのかもしれない。
「なんだろね?今日何かあるって言ってたっけ?明輝何か聞いてる?」
「いや、何も聞いてないけど。さっき私、先生と一緒にグラウンドまで来たけど、何も言ってなかったよ。」
風夏ちゃんは、部活に入ってから、私のことを明輝って呼び捨てで呼ぶようになった。
この2年半、友達から名前を呼び捨てにされるなんて、ほとんどなかったから、何だかとってもくすぐったい気分。
でも、内心とっても嬉しくて。
名前を呼ばれる度に、心があったかくなる。
友達っていいなって思ったりしてね。
少し前の私からは、想像もつかなかった感情。
その感情にもう一度、気づかせてくれた。
