桜の木々が青々とした緑色に染まる頃。
私の学校生活も、ほんの少しずつだけれど、葉をつけ始めていた。
「マネージャー、新しいタオルある?」
「あー!はいっ!これどうぞ!」
「どうも。ふーん、なかなか様になってんじゃん。」
「もう1ヶ月ぐらい経ちますからね。そろそろ慣れてかないと。」
「まぁ、俺への敬語もなかなか板に付いてきたんじゃねーの?」
ニヤリ。あのイタズラ大好き少年の不敵な笑みは、未だに止むことを知らない。
「もういいじゃないですか!いつまでもいつまでも…。」
この言葉を聞かない日は無いんじゃないか…
ってぐらい言い続ける先輩。
…春輝さん。
もう、これはこの人の口癖だ。
そのうち、私達の会話はこれしか無くなるんじゃないだろうか…。
