「うーん、まぁ…そんなところです!」
「ちょ…っ!!」
その一言に、一瞬で現実に引き戻された。
「そっかぁ〜!うれしいな〜♪︎今年は豊作やぁ〜♪︎」
「いや、私は……!」
勝手に話が進んでいるけど…。
風夏ちゃんはどうしてこんなことするの…?
「名前聞いてなかったな〜。なんて言うん?」
「え…あ…、さ、桜木明輝です。」
「あっきーか!よろしくな、あっきー♪︎」
人懐っこい笑顔は、初めの早織さんの大人っぽさとは裏腹に、幼くて抱きしめたくなるような印象を与える。
『かわいい』
お世辞じゃない心からの言葉。
きっと、みんなの中心に居るような。
その場に居るだけで、ぱっと華が咲いたような輝きを与えてくれる。
そんな人。
