「手伝うか?」
「いい」
車椅子から慎重に立ち上がって、ベッドに移った。
「全くお前と言うやつは、これでは小児科から移動させた意味がないじゃないか」
「だから移動させないでって何度も頼んだだろ」
「お前にはやっぱり医者は向いていないんだ」
また始まった。
毎回これだ。
なにかにつけて僕をやめさせようとしてくる。
「僕は僕の意思で医者になる事を決めたんだ。父さんの意見は関係ない。ゴホッ本当は小児科にッハァ戻りたいハァ…んだ」
急に苦しくなり始めた。
胸の辺りをおさえて苦しいのを我慢している中、
父さんがナースコールをおして
何か話している姿がみえた。