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吸入を終えて、車椅子を片手でこいで

病室に向かっていると


「海都」


聞きたくない声が後ろから聞こえてきた。



車椅子をとめて振り向かずに待っていると


「病室はどこだ?」

車椅子をおし始めた。



「5階…てか分かってるでしょ?どうせ」



「あぁ」


なら聞くなよ…

エレベーターに乗ると沈黙が続く。



ピリピリした空気が充満している。


チーン

エレベーターから降りてそのまま病室まで

車椅子をおされた。