体温計が鳴って先生に渡す。
「特に熱はないね。聴診するよ」
右手でTシャツを軽く捲ると
「やっぱりさっき無理したから悪化してる」
チェストピースを当てながらボソッと呟かれた。
まぁ自分の耳でゼェゼェしているのを聞けてる瞬間から、そうだとは思っていた。
「左痛いの?」
「えっ…なんでですか?」
「さっきから全然動いてないから」
どれだけ見てるんだ?
「ほらこれ持って」
体温計を渡されて右手で受け取ろうとすると
「いつも左で受け取るのにやっぱりおかしい。そもそも海都君左利きだし。ちょっと見せて」
左腕を持ち上げられた瞬間
「痛っ!!」
肘が……
痛すぎる。
汗がふきだしてきた。
「ごめんね。でもちょっと見るから」
次は慎重に服を捲ってくれて
先生が肘を見ると
「マヤさん整形に連絡して」
すぐに整形に電話されて………………………………