部屋に入ると、既に僕を呼び出した張本人が、椅子に深く腰掛けコーヒーを飲みながら書類に目を通していた。
「西崎先生突然呼び出してすまないね」
「副院長がわざわざ何の用ですか?」
軽く睨むと
「そう怒らないで欲しいな」
書類をデスクに置いて
患者用の椅子に座るよう促された。
「最近は忙しいかい?」
「えぇ」
「今日も当直なのかい?」
「はい」
「また?昨日も一昨日もだろ?」
なんでそんなこと把握しているんだよ。
「副院長権限を使ったからね」
イライラする。
グーで殴りたい。
殴っても叔父だから多分大丈夫。
「僕のことは気になさらず、早く戻ってください」
結局用事ってそれだけかよ。
僕の昼ごはんを返せ……
