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ピッピッピッピッ
何度と聞いた事のあるこの音。
ゆっくりと目を開けると
見覚えのある景色。
チラッと隣を見ると看護師さんたちの姿が見えた。
ナースステーションの隣か……
「ッ…ん……ゴホゴホッゲホッ…ゴホゴホッ」
突然咳が出てきて思わず酸素マスクを外して
指に付けられているボタンを押してしまった。
「ゼェッゼェッ…ハァ…ゴホゴホッ」
看護師さんが来た時には発作に変わっていて
苦しさで意識を失いそうになっていると
「海都君意識失うなよー、ゆっくりでいいからこれ吸って」
口に機械が当てられて20分程で治まった。
「持田…先生?」
もう涙で視界がぼやぼや。
声を頼りに聞いてみると
「そうだよ。苦しくないか?もう少し体起こそうか?」
頷くと、少しだけベッドの高さを調節してくれた。
「ハァッ陽菜ちゃんッハァゲホッは?」
「今は治療をきちんと受けてくれているって。にっしーも頑張っているからだってさ」
良かった……
「酸素マスク付けるよ」
さっき外したマスクをつけ直された。
「まだゆっくり休みなさい」
持田先生に肩をポンッと叩かれるとそのまま
眠りについた。