ガチャ


「えっ?」

今扉開いた音した?



もしかして泥ぼ「海都いるかー」


この声は太一。


「海都っ!!」


リビングに入ってきた太一と目が合うと

すかさず駆け寄ってきて、僕の左手首の脈を測る。


「すぐ救急車呼ぶから」



「いや……いい」

電話しようと携帯を取り出した太一の手を掴んで

携帯を床に置いた。



「とりあえず……ハァ薬取ってもらっていい?」



「分かった」


薬の場所は前にも教えたから多分分かるはず。


「どの薬だ?」



「解熱鎮痛剤と喘息の」



「持ってきた。少し体勢変えるよ」

体を起こしてもらって、掌に乗せてもらった薬を水と一緒に飲み込んだ。



「ケホケホッありがとゴホ…」



「ベッドに運ぶよ」


頷くと体が持ち上がって、布団の上におろされた。



苦しい……


太一が部屋から居なくなると

ベッドの壁と面している所にもたれかかった。


「ハァッ…痛い」


このまま眠りたいのに

痛くて苦しくて眠れない。



熱あるかも……

早く薬、効いてくれないかな。



「海都勝手に棚開けちゃった」



「別にッ…ハァいいよ」



「体温計持ってきたから。測れるか?」



「ん…」

体温計を手渡され、ワイシャツのボタンを

2つ外して脇に挟んだ。


「病院行こう?」



「やだ…」



「点滴してもらった方が楽になるだろ?座薬でもいいけど?」



「座薬はハァ…絶対ハァハァやらない」

太一をキッと睨むと


「そんな顔で言われても怖くねーよ。まぁ座薬は嫌だよな」


ピピピピ
ピピピピヒ

体温計が鳴って、画面を見ると38.8



「やっぱ病院行こ」



「絶対行かない」



「分かった、その代わり……………」





段々話が聞こえなくなって、視界が暗くなっていった。