力が入らない手をゆっくりと動かすと


「海都…?」

ガタッ


椅子が倒れた音が聞こえた。


「海都!?目を覚ましたのか?」


重たい瞼をゆっくりと開けると

眩しい光にゆっくり瞬きをする。



「海都分かるか?」


まだぼやける視界に映る父さんは

以前より痩せて頬もコケて別人のようだった。



「今持田君呼んだからな」

小さく頷くと、頭を撫でられた。



「海都君、ライト当てるよ」


目にライトを当てられて、思わず目を閉じる。



「しばらくは人工呼吸器で様子みましょう。目を覚ましてくれたので、離脱する日も近いと思います」



さっき目を開けたばかりなのに

もう眠たい。


重たい瞼をゆっくり閉じた。