段々近づいてきて、ジッと顔を見られる。
「いや、大丈夫ですから」
そんなに見られたら恥ずかしい……
勘弁してよ…
「先生また論文の手伝いしているんですか!?」
デスクに並んでいる資料やパソコン画面を慌てて隠すけど
時すでに遅し。
「えっ、いやだって…」
「もう次からは断るって言ってたじゃないですか!」
「断れなくて……」
「もう私が直接行ってきます!!」
「いやそんな!やめてください。僕は大丈夫ですから」
僕より3つ年上で、元救命の看護師。
前に僕が断れなくて、論文を3つ掛け持ちでやっていた時に倒れた事があって
それ以来、目を光らせている。
