「ゴホゴホッ母…さんは?」 「母さんはもう何年も前に亡くなっただろ?」 「ケホッあぁ…ヒュー そっか ヒュー」 僕は何を言っているんだろう。 そんな事僕が1番分かっているのに。 あの血。 あの匂い。 あの場面。 目を閉じると思い出す。 動かない母さん。 話しかけても、もう返事をしてくれない。 朝も急に起こしてくれない。 笑いかけてくれない。 怒ってもくれない。 全部僕のせいだ。