「海都に買ってあげたいものあるから行こう?」



「……分かったよ」



「やった!」


この前まで死にかけていたのに、どうして

こんなに元気なんだろう…


一体どこからその元気が来るのか……



「あっ郁人達には内緒だからね」



「分かったよ」


母さんと2人きりで出かけるのなんて

何年ぶりだろう?



殆ど郁人が一緒だから。



食事と着替えを済まして靴を履くと


「待ってよ〜。どっちがいいと思う?」


僕より先に準備していた母さんが

2つのかばんを持って見せてきた。