物置科の日常


「点滴するか?」



「いや大丈夫だから」

ジーッと僕の顔色や、左手首を掴んで脈を測っている近藤。



「それよりこんな所になんの用?」


掴まれていた腕を払って本題に入った。





普段からプライベートでの付き合いはあるけど

科が違うから、仕事中は殆ど会わない。



それなのになんでわざわざ、棟も階も違う

場所にいるんだろう?



「実はさっき急患で搬送された患者さんがここの心療内科で診てもらったことがあるらしくて」



「名前は?」



「遠藤和夫さん」


パソコンに入っているカルテを確認すると確かに名前が書かれていた。