博幸と 付き合っていた 2年間。

私は 不満よりも 罪悪感の方が 強かった。

そのくらい 博幸は 私を 優先していたから。


不倫の関係なのに

誕生日も クリスマスも

博幸は 私と一緒にいてくれた。


「おうちで 子供さん 待っているんじゃない?」

初めてのクリスマスに 私が聞くと

「実家で クリスマスやってるから。帰っても 誰もいないの。」

そう言って 博幸は 寂しそうに笑う。


「パパが サンタクロースじゃないの?」

「お祖父ちゃんが サンタクロースだから。二人は いらないでしょう。」

「そうなの?」

私は 驚いて 博幸の顔を見る。


いつも 子供から博幸を 奪っていることに

私は 苦しんでいたから。


でも 博幸は 家族に 必要とされてないと思っている。


本当に そうなの?


「私のサンタクロースは 博幸だけだもん。」

私は 博幸の肩に凭れる。

嬉しそうに 私の頭を撫でる 博幸。


博幸は 家に 居場所がないの?

本当は 寂しいの?


私は 罪悪感を 消すために

そう思うことにした。