「ねえ明里って4丁目だったよね?」
「うん、そうだけど」
昼休み。向かい合わせた机。
女子高生の魔法で、お茶もジュースも酒の如くテンションをハイにさせる。
毎日お弁当を作ってくれてありがとう、と
感謝しつつも購買のパンが美味しくて。
今日弁当いらない、とお母さんに投げてしまう日もある。ごめんなさい。
「4丁目のマンションにイケメン引っ越してきたらしいよ!」
イケメンか。
だが、シャンプーくんに敵う者はいないだろうという頭の中でのシャンプーくんの不戦勝が光る。
「ふーん。」
興奮するまどかをよそに、海苔が張り付いた米を口の中に押し込む。
「なんでそんな興味ないの?そんなにシャンプーくんがいいの?存在しないのに」
「シャンプーくんよりかっこいい人なんか現れないよ」
アプリをインストールした日から、今日まで。これからも、シャンプーくんだけ。
そう誓っていたけれど…

