朝日のさす中、僕と水元さんは向かいあって座っていた。
「水元さん、だよね?」
そうたずねると、にこっと笑って、こくっと頷いた。
どうやら、言っている事は伝わるらしい。
「水元さんさ、何で僕のところに表れたの?」
僕が一番謎なところ。
正直、水元さんにとって僕はただのクラスメートだったはずだ。
話した事はたくさんあるが、水元さんはクラスメートみんなと仲が良い人だったから。
水元さんは、なぜか顔を赤く染め俯いた。
…分からない反応だ。
「はぁ…」
正直、僕には水元さんが僕に望んでいる事が分からない。
ふと水元さんを見ると、眉毛を下げ、しょぼんとした顔になっていた。
「え、ごめん!僕何かした?」
下を向いて、水元さんは首を横に振る。
分からん、分からんぞ。
これが乙女ごころってやつなのだろうか。
入試よりも難しい…。
ん?そう言えば水元さんって、“行方不明”って言われているよな。
という事は…
「…水元さん、僕に水元さんがどこに捕らわれているか探して欲しいの?」
死亡と言われていないという事は、遺体が見つかっていないという事。
今目の前にいる水元さんが、幽霊ではなく生霊だとしたら。
勝手に胸を希望で膨らませていると、水元さんは悲しそうな顔で首を横に振った。
つまり、
「水元さん、もしかして…死んでるの?」
