コンビニに行くはずだったが、新田に誘われて近くのファミレスに入る。
「久しぶりだなー、元気?」
「うん、まぁね。新田は?」
「俺はちょー元気」
新田は高校の同級生。
180センチ以上あるであろう長身に、すっと鼻筋の通った綺麗な顔立ち。
それに加え、成績優秀、スポーツ万能。
それを鼻にかけない、爽やかで明るい性格で、水元さんに負けず劣らずの人気者。
僕みたいなやつにもこうやって話しかけてくれるような、the・良いやつ。
女性の店員さんが来て、彼にアイスコーヒーと、僕にバニラアイスクリームを出してくれる。
新田はにこっと微笑み、店員さんにお礼を言う。
彼女は少し頰を赤らめて、奥へと戻っていった。
「相変わらずモテるなー」
「いやいや、そんな事ないって」
照れたように目を細めて笑う顔は、爽やかイケメンという言葉がぴったりだ。
これはモテない訳がない。
水元さんも、惚れるはずだよなぁ。
そう、
彼は学年1の美少女、水元 葵の彼氏だった。
