アイドル絶対殺戮戦線

【名簿は講堂の外に出ないと探せませんよね。てことで、先に私をここから出してください、葛西さん】


【意外と強かな方ですねぇ】


私の強気な言動に、画面の向こうで葛西さんが苦笑している声が聞こえる気がする。


数秒後、ピコンと個人画面に新しいお知らせが届き、そこには10LOVEが追加されていた。


10万円相当の投げ銭。普通ならあり得ない金額だ。


最初の1分間ジャックで得た5LOVEから全く進捗のなかった私にとっては、本当に涙の出るくらいありがたい。


ただ、


【もう少しいただけませんか……失格になってしまいます……】


それだけのLOVEをもらっても、失格回避からはほど遠い自分が情けなかった。


でもどれだけ恥を重ねても、葛西さんにすがるしか私のアイドルへの道はない。