「こちらこそごめん。そんなに大切なものだとは思わなかったから、勝手に移動させちゃって。本棚の下に落ちていたと思ったから上にあげておいたんだけど」
「そ。わざわざサンキュ」
そう言いながら小田さんは、緑色のよくある大学ノートを大事そうに抱え込んだ。
聞いちゃダメかな? ダメだよね。
他人の隠し事を詮索する趣味はない。さっきそう言ったばかりだ。
「じゃあ、本当にもう行くね」
「うん。手伝ってくれてありがと。あんた、噂より悪いやつじゃなさそうだし」
「あ、あはは……」
私がそんな悪いやつだと誤解されるような噂って、何なんだ。
少し気になったものの、聞くだけ損だと切り替える。小田さんに悪気は一切ないようだし。
「じゃあ、また第4幕で」
図書室を出る間際振り返ると、小田さんは言葉を発さずにニコニコと笑っていた。
✳︎♡✳︎
「そ。わざわざサンキュ」
そう言いながら小田さんは、緑色のよくある大学ノートを大事そうに抱え込んだ。
聞いちゃダメかな? ダメだよね。
他人の隠し事を詮索する趣味はない。さっきそう言ったばかりだ。
「じゃあ、本当にもう行くね」
「うん。手伝ってくれてありがと。あんた、噂より悪いやつじゃなさそうだし」
「あ、あはは……」
私がそんな悪いやつだと誤解されるような噂って、何なんだ。
少し気になったものの、聞くだけ損だと切り替える。小田さんに悪気は一切ないようだし。
「じゃあ、また第4幕で」
図書室を出る間際振り返ると、小田さんは言葉を発さずにニコニコと笑っていた。
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