それを恨みがましげに私は見やる。


「あなた……お名前は何でしたっけ?」


「……大宮七歌です」


「大宮さん、あなたこそどうしてこのドレスを選んだの?」


「そ、それは……」


1番人気のなさそうなドレスだったから、とは言えなかった。


だけどそれすら見通したように、里野さんはにっこりと口角を持ち上げる。


「お手柔らかによろしくお願いしますね、大宮さん」


「こ、こちらこそ……」


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