「どうして……里野さんならもっと人気のドレス選べるでしょ……」


思わず口をついて出た小さな不満は、里野さんの耳にしっかり届いたらしい。


「うふ」と目を細めて、里野さんはこちらを見上げる。


「私、人よりも華奢なんです。だから普通のドレスじゃぶかぶかで」


当然ながら、選び抜かれた星ヶ峰の生徒は一般の人たちよりはるかにスタイルがいい。


それに合わせて用意されているため、ここに並んでいるドレスも細身に作られたものばかりだった。


だけどそれを桁違いに上回って、里野さんのスタイルは圧倒的だった。


内臓が入っているのが信じられないほどのぺったんこの腹部。