アイドル絶対殺戮戦線

私の全身を絡めとろうと手を伸ばすおじさんを力いっぱい押し除け、首筋にシャープペンシルをつきたてる。


「老眼なんでしょ、よく見て?」


ぎょろりと眼球を動かすおじさんの滑稽さに、こんな状況だけど笑ってしまいそうになりながら、私は低く唸った。


「こんなものでもね、首の大事な血管に刺さったら命に関わるんだよ」


それが本当かどうかは知らない。ただ、もしおじさんが言うことを聞かなければ私は渾身の力で首に刺してやるつもりだし、そうすればおじさんも無事ではいられないはずだ。


いつでもメモをとれるようにポケットに入れていたものがこんな風に役立つとは思わなかったけれど……人生なにがあるのかわからないものだ。