赤穂さんの血に塗れた身体が片づけられていくのを、私はスローモーションのように眺めていた。


スーツに血を受けた堂々が一旦着替えのためにはけて、その間にも試合は進んでいく。


第2試合に登場したのは里野さん。言わずもがな彼女の圧勝で、相手の女の子は無情に機関銃で撃ち抜かれる。


第3試合。第4試合。何度も血が流れて、その度に無機質に舞台の清掃がされて、そして第11試合。ついに私の番がやってきた。


壇上でにらみ合った音葉は以前より大きく見えて、無意識に足がすくんでしまう。


でも。


私は負けない。負けるわけにいかない。