夢から覚めたとき

中学生になって入った部活の女子バレーボール部は、当時私の学年のスクールカースト上位に属する気の強い女子3人、気の優しいカースト真ん中あたりに属する女子6人、そして私の計10人が同期だった。女子はなにかとグループ意識が強い。同じ部活というだけで部活終わりの放課後はもちろん休日ですらずっと一緒にいた。私もその中にいて自然と仲がいい友だちとしてその時間を楽しんだ。
それから時が経2年生の冬。私は部活をやめた。虐められていたわけでもなく、体罰があったわけでもなく、ただ単純にめんどくさくなっただけ。両親と顧問にはそれなりに適当な理由を並べて説得し、部活をやめた。

今思うと、部活は続けておくべきだったのかもしれない。

部活をやめた私は、それっきり友だちと呼べる人が学校に一人もいなくなった。放課後や休日にあれだけ一緒の時間を過ごした部活の仲間でさえ、LINEの連絡先は知ってるものの連絡は一切取らず、廊下ですれ違っても声すらかけられない。1学年6クラスあった私の学年では、3年になっても一人も同じクラスになることはなくそのまま卒業を迎えた。友だちと呼べる人がいない学校の卒業式、終わった後自然と開催される写真会には参加せずまっすぐ正門を出て家に帰った私に、見に来ていた母親は何も言わなかった。