鳥が鳴く声が聞こえる。一度目よりもハッキリと目を覚ました私は枕元に置いたスマホで時間を確認する。ロック画面に表示された数字は『10:26』。またやってしまった。
「めんどくさいなあ…」
ため息混じりにそんな言葉を吐きながら、操り人形のように体を起こす。そしてまたスマホを手に取り今度はホーム画面を開く。右下にある連絡先のアイコンをタップして表示される数少ない候補の中から『(学校名) 教務 』に電話をかけた。

「……あ、3年2組の大原です。高橋先生はいらっしゃいますか」

「ごめん、今起きた」

「…うん」

「5限までには行けると思う」

「失礼します」

電話を切りホーム画面に戻してじっと見つめる。いや、見つめているわけではない。ただ視線の先に画面があるだけで、どこを見ているわけでもない。
気がつくと真っ黒になっていたスマホの画面に次はLINEの画面を表示させる。