すると、亜妃の目から大粒の涙がポロポロと
落ちていく。

亜妃「うっ…うっ…」

「…えっ⁉︎何で泣く⁉︎」

亜妃「っ…ひっ…うっ…」

おーっとやばい、俺泣かすような事いったか?

「ちょ…マジでどうした?」

亜妃「…わか…んな、い、けど…嬉しくて。」

…?
「…嬉しい?」

亜妃「…あんまり…そう、いうの…
言われて、こなかった…ので。」

あー。そういう事か…親居ないって言ってたしな。
1人で色々抱えて生きてきたんだろう。

その瞬間、俺は亜妃を抱きしめていた。

「…辛かったな。1人で。」

そう言うとまた更に泣き出す亜妃。
…せっかく発作の方が落ち着いているから
あんまり泣いて欲しくないんだが。

とりあえず、落ち着くように背中を
さすりながら泣き止むのを待つ。

しばらくすると泣き止む亜妃。

「…落ち着いたか?」

顔を埋めたまま頷く。
…可愛い反応するな。

「顔、あげて」

首を振る。
さてどうするか…そろそろ顔あげてくれないと、
この状態だと呼吸苦になる可能性もある。

「あーきちゃん」

亜妃「っ⁉︎」

まさか名前を呼ばれると思わなかったんだろう。
単純な亜妃はすぐに顔を上げる。

ほんと…単純。笑