2人で向き合って鍋を囲む。

…家で飯食うの久しぶりだな。

亜妃を見ると意外と食べれているみたいで一安心。

そういえば、こいつ…普段ちゃんと食ってんのか?

1人暮らし、実家なし…

痩せこけてるし…食べてるイメージもない。

「…お前普段なに食べてんの⁇」

亜妃「安い野菜とかを買って、適当に作ってます。」

「…料理するんだ?」

亜妃「…簡単なものしか作れないんですけど…
一応作ります。瀧さんも、お料理されるんですね。」

買い物のときといい、今といい…
なかなか失礼な事を言うやつだな。

「…意外、とでも言いたそうな顔だな。」

亜妃「い、いえ…そういうわけでは…」

明らかに今、目逸らしたな…
図星と言うわけか…
まぁ、否定はできないが。

「まぁ、たまにな。料理つってもこういう鍋
みたいな野菜切るだけでいいようなものしか
作らねぇし、まぁ…料理と呼べるものは作れねぇな。
普段外食ばっかだしな」

普段は仕事が忙しく外で食べることが多い。
休みの日はたまにするが…
そんな大したものは作れない。

そんな話をしながら食事をする。

食後、コーヒーを淹れて、亜妃が見ていたチョコと
一緒に持っていく。

「コーヒー飲めたよな?」

亜妃「はい。」

「コーヒーとかに含まれるカフェインは気管支を
拡げる働きがあると言われていて、
喘息にも良いと言われている。
…飲み過ぎは良くないけどな。」

2人でソファに並んでコーヒータイム。

俺にとって夜のこの時間は重要だ。

夜にカフェイン取ると寝れなくなると言うが、
寝れなくなった試しがない。

亜妃は隣でチョコを食べている。

亜妃「んー‼︎幸せ」

単純。本当子供の様な反応するな。
チョコひとつで…

「ハハッ、そんなに幸せか?」

…まぁ幸せなら良かったよ。