「うん、よく言えました。」

気づけばベッドの端に座り、抱き寄せていた。
こうやって自分の気持ちを素直に出して欲しい。

それにしても…

「まじ、病室でプロポーズとかあり得ねぇな…。
とりあえず、勝手に居なくなるのはやめろ。」

我に返ると病室でとんでもない事を言っている
ことに気づく。

照れた気持ちを悟られないよう、説教を始める。
結婚するなら尚更、勝手に家を出て行くなんて
言語道断。

亜妃「ごめんなさい…」

謝る亜妃の肩を掴み目を合わせると、逸らされた。

「ったく。そもそも、自己管理が甘すぎるんだよ、
あんだけ走るなって言ったよな?
全力疾走なんかしやがって…。
発作起こすわ、過呼吸起こすわ。
そのくせ病院は行きたくないだと?
わがまますぎんだろ。
こっちはお前の気持ち汲んで1人で
帰したっていうのに…連絡つかねぇし、
帰ったら居なくなってるし。
どんだけ心配かければ気が済むんだよ。
ましてや…体調悪いのに出て行くやつが
どこにいんだよ。」

言いたいことは山ほどあった。
どんだけ心配して、後悔したか。

ふざけんな、と言う気持ちを込めて髪を
ぐしゃぐしゃにしてやる。

亜妃はされるがままになっているが、
みるみる顔が赤くなる。