とりあえず、その事も踏まえて誕生日くらい
ちゃんとしないとな。

「いや、悪かった。お詫びってわけじゃ
ないけど週末どっか出かけようか。」

喜ぶと思ったが予想外の反応が返ってくる。

亜妃「えっ…ごめんなさい。そういうつもりで
言ったんじゃないよ…みさき達に彼氏の誕生日くらい
知ってないとって言われたからであって…」

まさか謝られるとは思わなかった。
そんなの気にしなくていいのに。

「わかってるよ。俺がなんかしたいだけ。」

そういうと、少しだけ笑顔になる。

付き合いだして、ちゃんと出かけたことなかったし、
亜妃の行きたいところ、連れてってやりたい。

「どこ行きたい?」

亜妃「どこ…」

俺が聞くと困ったように考え始める。

…本当に欲がないと言うか、なんというか。

しばらく返事を待ってみるが、おそらく
こいつの性格上、ここ行きたいとかは
言わないんだろうな。

「特に希望無ければ勝手に決めていい?」

亜妃「あ…うん。お願いします。」

「じゃ、当日のお楽しみってことで」

そうと決まれば、一肌脱いでやろう。
せっかくの誕生日だしな。