それから10日後、俺の献身的な看病と
体調管理のおかげで亜妃の調子も戻ってきた。

「亜妃、俺もう出るぞ。」

亜妃「あっ待って。一緒行く!」

そう言って小走りで玄関に来る亜妃。
…まだ走るなよ。

「いいか、ちょっとでも変だと思ったら
すぐに帰ってこい。で、俺に連絡しろ。
携帯持っとくようにするから。
学校終わっても寄り道せずにまっすぐ帰ってこいよ。
家事なんかはしなくていいからゆっくり
過ごすこと。出来るだけ早く帰るから」

亜妃「わかったって!大丈夫だから。
昨日からずっと同じこと言ってるじゃん。
心配しすぎだよ…子供じゃないんだから。」

朝から…正確には昨日亜妃が学校に行きたいと
言い始めてから同じ事を繰り返し言っているからか、
亜妃もやや呆れてきている。

…でも大事なことなんだからな。

自分の体調に疎いだけじゃなく、
少し油断するとすぐ無茶をする。

心配の種は尽きない。

それでも、そろそろ学校には行かせないと
留年になんてなったら大変だからな…。

一緒に家を出て俺は病院に、亜妃は学校に向かう。


ー病院ー

正隆「よぉ。亜妃ちゃん大丈夫か?」

「あぁ…今日からもう学校行ってる」

正隆「そりゃ良かった。バイトは?」

「バイトは…まだダメだな。
なんなら辞めさせたいくらい。」

正隆「お前の心配症もなかなかだもんな。」

「…うるせーよ」

正隆「あんま過保護になりすぎんなよ。
嫌われるぜ。」

そう言って去って行く正隆。

…過保護じゃねーだろ。

そうは言っても、やっぱり気になる。

ご飯は食べたか、ちゃんと家に帰って
大人しくしているか。
メールをするとちゃんと飯も食って、
家にも居ると返信がきた。