医者嫌いの彼女

医局へ行き、亜妃の件を相談する。
入院が本人のストレスになり、ご飯が
食べれていないこと、帰りたいという希望が
強いことを常田先生に伝える。

「…と、言うことでして。」

常田「まぁ、ご飯が食べれないのは病院という
環境のせいもあるだろうからな。ただ…
今の数値のまま帰すわけにはいかんしなぁ。」

「ですよね・・・」

まぁ、そうだろう。俺でさえその判断なんだから。

しかし、その後の言葉は予想を反するものだった。

常田「まぁ…2、3日様子みて、血液検査して
改善の兆しが見えるようなら退院でいいんじゃない?
このまま病院にいて改善するかも分かんないし。
ただし、家に帰ってもしばらくは絶対安静、
無理はしない、ご飯は食べる、薬は飲む、
何かあればすぐ受診。
この条件は必ず守らせろ。」

「…はい、ありがとうございます。」

退院の許可は取れた。
3日後、看護師と一緒に、採血セットを持って
亜妃の部屋に行く。

「おはよう。春川さん」

亜妃「おはよ…ございます。
…‼︎待って、それ、何するんですか…?」

採血セットに気づいた様子。

「…採血。」

亜妃「え…やっやだ!嫌です」

「採血しないと帰れないぞ?」

亜妃「なんで…関係…あります?」

「ありまくり。栄養状態は採血で判るから。
はい、手出して」

そう言うと、首を振る。

「…帰りたいんだろ?これくらい頑張れ」

笑ってそういうと、ムスッとした顔をして一言。

亜妃「…悪魔」

聞こえるか聞こえないかの小さい声。
…聞こえてるけどな。

「…なんとでも言え。」

どう考えても小学生のような発言に
また笑いそうになるのを我慢して、採血をする。
看護師にお願いするところだが、亜妃の
精神的負担を考え、自分でする事に。