しばらくは喉の痛みに苦しめられていたようだが、
数日後には熱も下がっていた亜妃。

あれから、亜妃は俺の家で過ごす事が増えた。
同棲してるとは言っても当直の日や、自分が
バイトで遅くなる時は自分の家に帰る亜妃。

気にせず帰ってきて良いのに、
本人は気にしているらしい。

まぁ、自分の家の方がゆっくり出来ることも
あるだろうと、あまり口出しはせず好きにさせる。

そんな生活を続けていたある日。

亜妃「和弥さん、これ…。」

「契約更新?」

亜妃が持ってきたのは、家の契約更新をするか
否かを問う書類。

亜妃「今の家のやつなんだけど…どうしよう?」

亜妃が自分の家に帰るのは週に1-2回。
帰らない事もあるし、それだけのために
家賃を払わせるのも…なぁ。

ただ、亜妃が家に帰りたいなら話は別だ。
まぁ、書類を俺に見せてくる時点でそんな
気持ちは少なそうだが、不便な事もあるかも
しれないしな。

「あぁ。…俺ん家から学校行ったりするの不便?」

亜妃「ううん、大丈夫。あ、バイトで遅くなる時が…」

「あぁ…バイトな。」

確かにバイト先から俺んちまでは少し距離がある。
今はうちに来る時はタクシー使うか、迎えに行くが
それも亜妃が気にしている原因だろう。