ー翌日ー
出勤時間に合わせて亜妃を病院に連れて行く。
しかし、さすがに連れ込んでいると思われたら困る。

亜妃にはロビーで診療開始まで待ってもらって、
開始と共に1番で呼ぶ事にする。

そして可哀想な事にまた看護師が田中だ。
どうも相性が良いらしい。笑

変に勘付かれると、亜妃が余計かわいそうだから、
言葉遣い気をつけないとなー。

時間になり亜妃を診察室にいれる。

「…今日はどうされました？」

亜妃「風邪ひいたみたいで。声がでなくて…」

予約なしだから、知ってる方がまずい。
亜妃もちゃんと答えている。

「では診てみましょう」

そう言って診察をする。
多分扁桃炎で間違いはないと思うが、
季節的にインフルエンザじゃないとも
言い切れない。

「時期が時期だしな…。
念のためインフルの検査キットお願い。」

看護師にお願いして持ってきてもらう事にする。
看護師が診察室から出て行くと。

亜妃「か…和弥さん『先生です。はい、やり直し』

病院で和弥さんはまずい。
今は看護師が居ないが、いつどこでバレるか
分からないんだから。

病院内ではしっかり先生と呼ぶ癖をつけさせないと。
そう言ってやり直しさせようとするが、
どうも言う気にはならないらしい。

そして結局何も言わないうちに看護師が戻ってくる。

…何を言おうとしたのか？

「春川さん？どうしました？
何か聞きたいことでも…？」

そう言って言いたい事だけでも聞いてやろうと
思ったが、

亜妃「い、いえ…なんでもありません…」

下を向いたまま、そう言うため聞かなかった。

「では検査するので少し上を向いてください。」

田中「頭、支えますね」

そう言って看護師が亜妃の頭を支えると、
全身に力を入れ後ろに退けぞろうとする。

…嫌なのはわかるが、検査だしなぁ。